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商品の情報

生きる<普及版> [DVD]

生きる<普及版> [DVD]

黒澤明, 志村喬;小田切みき;小堀誠;金子信雄;千秋実
東宝(2007-12-07)

アマゾン価格: 3,395
 → マーケットプレイス: 3,395 円 より
定価: 3,990 円
アマゾン売上ランキング: 8190位
DVD / 通常24時間以内に発送
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 5.0 / 総数: 15件

[5点] 現代社会を生きる日本人にこそ観て欲しい日本映画
作品評価以前の問題ですが、正直言って、50年以上の時を経た今も、日本も日本社会も本質的に何ら変わっていないことに驚愕しました。

戦後、経済成長に生きた日本でしたが、今となっては、それは「表面的=経済的な豊かさ」に過ぎず、人間がしあわせに生きる原点である「心の豊かさ」を失ったと感じます。
加えて言うと、「お役所仕事」や「お役人」の進歩・改善の無さです。
一体どこが民主主義国家なのか、どこが先進国なのかさっぱりわかりません。
日本人全員が回転し続ける日本国の歯車にうまく噛み合わなければならず、私達の人生はベルト・コンベアで流されるひとつの部品にすぎません。
それを一歩でも踏み外すと、国からも社会からも学校からも「落ちこぼれ=規格外品」になり、JISマークがつかない人間になってしまう次第です。
今となっては、この作品の主人公のように「死」を目前にして、人間の尊厳に目覚める人も少ないと思います。そういった人達が多ければ、日本という国はもっと良い国になっていたと思います。

厳しく言うと、この映画を観て感動したという人達があまりにも多すぎて驚きました。
しかし敢えて安易に感動してはいけない作品だと思います。
この作品は黒澤監督の痛烈な「戦後の日本社会批判」だと判断したからです。
日本という国、そして日本社会を良くするためには、市井の人達が「NO!!」と言う勇気をもって立ち上がらなければ、日本の未来はありません。
そもそも日本と日本社会は、まず「NO!!」と言う人、そして貧しい人々には優しくない国であり、真っ先に切り捨てられる人種だと感じます。
だったら、江戸時代とどこが違うのか・・・。
それ故、現代社会に生きる人々は生まれた時から「生きながらも死んでいる」のです。
私の身近な人達を見回しても、生き生きしている人などおらず、自分自身に妥協して「長い物にまかれ」惰性で生きているあり様です。
それを自覚している人達もいますが、解決策としては、諦観の人生を全うする他なく、後は日本人をやめるか、生きることをやめるかです。

そもそも人間は生まれた時点から死に向かって歩いているわけで、人間ひとりの「命」ましてや「人生」などはかなく、地球規模で考えるととるに足らない、ちっぽけなものです。
しかし、ひとりひとりの人間が己の人生をみつめ直し、それにささやかな尊厳を与えることが
自分が生きた証であり、それが人間的に生きられる良い社会や国へと繋がると信じます。

さすがドストエフスキーを愛した黒澤監督。改めて、世界のKUROSAWAの底力を思い知らされました。「七人の侍」は、黒澤監督の人生哲学と映画の娯楽性との幸福な出会いだと評価しますが、この作品は社会派黒澤監督のルーツとも言える決定的な作品でしょう。
私は「七人の侍」も立派な社会派映画として評価しますが。
(2009-01-02)
[4点] やりすぎ感がまた逆に黒澤のいいところなのかもしれない。
「生きる」つったら、黒澤明の作品の中で、もうこれははずせない代表的な名作、と名高いにもかかわらず、観たことがなかった。クロサワファンとしてはもうもぐりである。医療界でいうなれば、ブラック・ジャックよろしくである(「ブラック・ジャックによろしく」ではないよ)。というわけでこりゃもう観るっきゃない!

ある市役所で死んだように働く主人公の渡邊。変化を嫌い安定を好み、これまで平穏無事に過ごしてきた彼の胃にみつかるガン。余命いくばくもない彼は、変化を受け入れ自由奔放に生きる小田切と出会う。それをきっかけに、「生きる」ことの本当の価値を見出していく。

物語の筋がしっかりしているし、死んでいるところからはじまるところなんかは構成としておもしろい。なんか、かつて「アメリカン・ビューティー」っていう映画があったんだけど物語の筋、構成が結構似ている。。あれってドリームワークスだし、オマージュ入ってんのかな?

あと気になったのは黒澤明らしいところ。「そこまだやるの?」ってくらいどうでもいいシーンが長いし、志村喬の鬼気の迫り方がちょっと尋常じゃないところが引く。が、そのやりすぎ感がまた逆に黒澤のいいところなのかもしれない。だっていまだに、蜘蛛巣城の森を駆け回るシーンが「長すぎだろ!」ってツッコミ入れられるくらい鮮明に覚えてるし。 (2008-12-18)
[5点] 人生の畏るべき真実と創り手たちの気高さと
これと“七人の侍”は言うまでもなく黒澤監督絶頂期の作品なわけですが、とりわけ私は“生きる”が好きです。 この作品にはまさに畏(おそ)るべき人間の真実が描かれていると思うからです。 確か立川誌らくさんがエッセイの中で書かれていたと思うのですが、主人公の渡辺さんは決して子供達のために公園を作ったわけではありません。 彼は死ぬ前に一度でいいから己の生を燃焼させてみたかっただけで、その媒体としては公園だろうがなんだろうがかまわなかったわけです。 結局、本当に“生”を実感したいのなら、人間は自分に正直な生き方をするしかない、というのがこの作品にこめられたメッセージだと思うのですが、このシンプルなメッセージ、捉えようによってはいくらでも歪曲可能なものです。 例えば、とにかくお金を儲けて豪勢なくらしをしたいーと、本気で願っている人も世の中にはたくさんいるでしょう。 また、私の友人(アメリカ人)の知り合いの中には、どうしても人を殺してみたかったからイラク戦争に志願した、というとんでもない人間もいます。 “真実”は道徳と同義語ではないので、使い方によってはこのようにいくらでも下賎なものに成り下がってしまう、と私は思います。

しかしこの作品において、創り手たちは、決してこの“真実”を茶化したり、下世話なものにしたりはしませんでした。 大抵の人間は自分に正直になろうとしても、家族や世間やその他もろもろのしがらみにがんじがらめにされていて、本当に納得のいく人生を生きている人というのは少数派でしょう。 そこに真実と現実の絶望的な隔たりがあります。 作り手たちはそういった大部分の普通人の視点を忘れることなく、この真実が最高に輝いて見えるような物語と映像を創ってくれたーそこに私は感嘆してしまいます。 真実を知っていることが偉いのではない、それをいかに使うかが大事―この作品の存在自体がそのことを体現してしまっています。 この作品を見るまで、私は映画というものがこんなことまでをも表現可能なメディアだとは夢にも思ってみませんでした。 日本人が人類に贈った宝物の一つだと思います。 (2008-08-01)
[5点] 生きる、ということの意味。
ヒューマニティーの頂点。無気力に事なかれ主義で生きてきた退職間近の小役人は癌であることを宣告され、尚且つ同僚の若い女性の活力に、突然、無意味に感じていた自分の職場で「生きる」という意味を探し始める。

市民の声をたらい回しにする役場において、突然、市民からの公園を創ってほしいという陳情書を上司や、他部署を回り、ヤクザにも負けず、通し、公園を創るために最後の命を賭けて奔走する。

人にとって、生きる意味とは?という普遍的なテーマと、官僚政治に対する強烈な皮肉、
これは、今でも年金や薬害エイズ問題など起こり続けていますから、常に新鮮に感じられるテーマですね。

黒澤作品の好きなところは、古くならない普遍的なテーマを選び、徹底的に脚本を、美術を、役者を追い詰めて、彼以外に創れない世界を構築しているからです。

無意味だと思っていた職場に価値を見出す、、つまり、、本人のメンタリティの変化によって、価値を見出すことが出来るんですよね。

後に、公園が出来て、彼の葬式に集まった役人達の自分勝手な手柄自慢や上司へのおべんちゃらは、どこにでもある、そしてどこにでもいる、普通の人達ですよね、、、くだらないけど、身の回りにはそんな人が溢れてませんか?役人だけじゃなくて会社には五万といますよね。

当たり前のことを、誠意をもってやるってことが、いかに組織の中に入って安楽とした生活では冒険かと、、、改めて、官僚や役人って何なんだ?と感じてしまいます。

陳情書を届けた市民達が、葬式に弔問に来て彼に感謝し、そして、公園で遊ぶ子ども達の顔を見て、政治家や役人はもっと人のために働きや!と怒りがこみ上げてきます。

何度も観た映画ですが、その度に、生きるとは、どういうことなのか?ということを考えさせられます。。。生きるって、、人のためになることをする?歴史に残る偉業を成し遂げる?、、、何かを成し遂げる?、、、いえいえ、それは単に結果であって、「生きてる!」って自分が実感できる、その連続が「生きる」ってことだと思います。
まあ、、、、旨いもの食って「生きてる!」っていう実感も大切ですけど(笑)、それはきっと動物でも、できることでしょうしね、、、、、恋をした、、コクった、なんてのも、生きてるって思えます、、、。なにかをやろうとしている、やった、なにかが分かった、何かを動かした、、など、生きるって事は、人にとって精神そのものだと思います。

PS:志村喬がブランコをこぐシーンは日本映画史上に残る名シーンで、脚本はトルストイの「イワン・イリイチの死」が元になっています、また、彼がブランコで口ずさむ「ゴンドラの唄」は吉井勇の作詞、中山晋平の作曲で1915年に芸術座の「その前夜」の劇で使われ流行歌となりました。

観てない人は観なくちゃだめですよ。
ついでに僕の好きな羅生門も観てください。人の崇高さや尊厳が、「生きる」の行き着く先だとしたら、羅生門はその逆、、人の心は藪の中です。

(2008-06-15)
[5点] 現実の自分自身の生き方に関して
この作品を観て感じたことです。

現実の世の中 人間誰しも理想の人生を生きていないです。
それは テレビCMで観る幸せを絵に描いたような
家庭や家族がないのと同じです。

生きる目的、価値、意義を考えると
どうしていいか分からなくなります。

そして そんなことを考えると、
今の自分の生き方に対してただ凹むだけです。

どんな状況になっても平然と生きる
それがホントに強い人間だと思います。
(2008-05-20)

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