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商品の情報

牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史)

牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史)

佐川 光晴
解放出版社(2009-07-10)

アマゾン価格: 1,575
 → マーケットプレイス: 1,200 円 より
定価: 1,575 円
アマゾン売上ランキング: 7663位
単行本(ソフトカバー) / 通常4~7日以内に発送
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 6件

[4点] 命を食べる下ごしらえをする仕事
 今でもアジアの田舎などに行くと、歓迎の意として庭で駆け回る鶏や、少し離れた場所に繋いでいる豚をつぶして料理にしてくれ、近所の人と一緒に戴く事がある。
 その光景は、本書のような屠殺場のようにシステムナイズされたものではなく、まさに手作りの食肉製造の場なのだが、解体に関わる人も見物人も晴れの日を楽しむように、明るく賑やかにその場に参加している。

 本書は仕事としての屠殺で、そこには楽しみではなく技術を競う如く働く人々がいる。

 そして技術をある程度身につけ、技術伝承が出来るようになった著者が、ルーティン化しその繰り返しの未来が見えてしまい、Oー157などの影響で変わっていく仕事、それらについて苦悶する姿も少しながら描かれている。

 結局、著者は小説で身を立てる事を決心し、退職するのだが、仕事の流れや困難さについては、鎌田慧らが書いてきたルポよりも生々しい描写を得られたが、労働者としての苦悩の部分については、不足していると感じた。
  (2010-02-25)
[5点] 屠殺という特殊な世界の物語というよりは、働くということを見つめた書として読んだ
 本書は1990年から11年間、著者が埼玉県の屠殺場に勤務した日々を振り返った記録です。

 著者は北大を出て出版社に入社するも上司と対立して退社。職安を通じて見つけた転職先が屠殺場であったということです。
 入社初日に古株の先輩に「ここはおめえみたいなヤツが来るところじゃねえ」といきなり怒鳴られ、技術も経験も体力もないまま家畜を屠るという精根尽き果てる業務に携わることになります。
 しかしやがて著者は、先輩の指導を受けながら、少しずつこの仕事に自分なりのやりがいを覚えていくのです。

 少なくとも著者が働いた屠殺の世界の内側は、著者自身も入社前に思っていたような、世間からの差別や偏見に苦しむ慎重を期すべき業界ではなく、どんな労働も理想とすべき、働く喜びを与えてくれる場所であったようです。

 著者はこう記します。
 「誰でも実際に働いてみればわかるように、仕事は選ぶよりも続けるほうが格段に難しい。そして続けられた理由なら私にも答えられる。屠殺が続けるに値する仕事だと信じられたからだ。ナイフの切れ味は喜びであり、私のからだを通り過ぎて、牛の上に奇跡を残す。
 労働とは行為以外のなにものでもなく、共に働く者は、日々の振る舞いによってのみ相手を評価し、自分を証明する。」(115頁)

 著者が屠殺という職業に感じた手ごたえは、家畜に当てたそのナイフにかかる手ごたえのように重く、そしてまた敬意を払うべき対象として心に残ります。
 
 労働を通して喜びを得、さらには人として成長する。著者の暮らした屠殺の現場にはそれがありました。
 そうした貴重な記録として私は本書を読み、そして同時にまたそれは、自らの労働を少し苦い思いと共に振り返る読書ともなりました。 (2009-11-29)
[4点] 仕事への思いは普遍的
普通に読んで、面白かったです。差別についての記述も普通に出てきます。
著者自身の目線が普通というか自然体で、そこが凄いと思います。
仕事への思いは普遍性を感じます。普通な感じが普通に凄い。
読み終えて、結構気負って読み始めた自分の気負いが反省されました。 (2009-10-19)
[5点] 仕事を、全うする人間に、感激。
仕事には、いろいろ有りまして、この仕事も一般的には想いつかない仕事だと思います。どの職業も現場に立って見なければ本当に解ることは出来ないと思います。どんなにいろいろな資格を取ったとしても、現場に立ってやって見なければ仕事の本質を解ることが出来ない。そして、心底やってみて、其の仕事のやりがい、魅力、人間関係、やらなきゃならない意義が判ると思います。この本には、そのように、いろいろ考えさせられる内容が詰まっています。感想は、人それぞれ違いますが、是非沢山の方々に読んでもらいたい本です。 (2009-09-27)
[4点] 人は命をもらって生きているのが客観的に表現されている。
屠殺場というのはなかなか外部から見ることができない。特に、生きている牛が枝肉になるまでの具体的な作業の詳細をこのように科学的、客観的に自らの人生観も含めながら淡々と記述された文章は感動的であった。
写真は事情もあり添付されていないが、イラストは非常に味があった。
「こうして僕は猟師になった」
という本とも共通するが、獣を解体して肉として食べることは命をもらうことであり、自分が食べる食肉を大切に思う気持ちが強くなった。 (2009-09-04)

牛を屠る (シリーズ向う岸からの世界史)

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