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ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)
上杉 隆
→ マーケットプレイス: 640 円 より 定価: 777 円 アマゾン売上ランキング: 32169位 新書 / 在庫切れ
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日本のお役所や大企業の悪弊にずっぽり浸った日本の大新聞
その悪弊とは、護送船団、セクショナリズム、談合、横並び、政治との癒着というか一体化、思考停止、無誤謬、客観主義に名を借りた主観主義、エリート意識、匿名に逃げる自己保身、会社との一体化、盗用したい放題・・・山ほど出てくる。
まあ、日本の新聞は新聞ではなく、通信社なのだと思えば、納得できる。
筆者は、大新聞に所属していないたけに、その視点はユニークでおもしろいし、遠慮ない文章なので読んでいてある意味爽快である。
他方、全てニューヨークタイムズを権威として立論するのはかなり恥ずかしい。また、雑誌やフリーランスに随分甘いが、雑誌には得体のしれない記事も多いし、フリーランスに至っては崩壊以前に立ち上がっていない。さらに、ジャーナリスト自体、表現の自由を正義の御旗に無責任な存在であることをどれ位、自覚しているのだろうかと思ってしまう。 (2008-12-01)
「ジャーナリスト」と「記者クラブ」
「記者クラブ」の問題などは以前から指摘されており、特に目新しくはないですが、自身の体験から批判しており説得力があります。
ただ、この本は「記者クラブ」批判の本という側面と、上杉氏の自慢本という二つの側面があり、上杉氏の自慢話の方は納得できない点が多々あります。
上杉氏が自分を評価する基準は、基本的に「私の取材方法や記事の書き方はアメリカ流、ゆえに私は一流ジャーナリスト」なのですが、この基準でジャーナリストを評価すると、上杉氏だろうが、ハルバースタムだろうが、新人記者だろうが、アメリカのメディアで働くジャーナリストは、みんな一流になってしまいます。
やはり、ジャーナリストを評価する基準は別にあると思います。(例えば「見識」「バランス感覚」「構成力」など)
それに加えて、上杉氏は基本的にアメリカ・ジャーナリズム礼賛なのですが、その中でも「ニューヨーク・タイムズ」に対する礼賛は違和感を通り越して異常なものを感じます。
「ニューヨーク・タイムズ」に対する、適度な距離間や懐疑心は必要ないのでしょうか。
納得できない点はありますが、「記者クラブ」批判の本として見れば説得力があり価値のある本だと思います。 (2008-11-21)
日本のジャーナリズムが抱える問題を一瞥できる。
日本のジャーナリズムにおける問題が一瞥できる。
本書が特に力点を置いて批判しているのは「記者クラブ制度」と「企業ジャーナリズム」という、日本のジャーナリズムが長年抱えてきた構造的な問題。
この二つの大きな問題、記者クラブが情報を囲い込むことで、健全なジャーナリズムの障害になっていることや日本のジャーナリストは所詮ジャーナリストである前に会社員であり、私利を追求してしまうが故に生じる問題があることは、本書が出るずいぶん前から指摘されてきた。しかし、そのような度々指摘されてきた問題点を、著者の体験してきた具体例を豊富に用いて糾弾していることに本書の本質があると思われる。
新聞学やマスメディア研究を専攻しているものにはちょっと物足りない点があるかもしれないが、具体例が豊富で面白いので飽きが来ない。それに、ずばずばと問題点を指摘していく上杉氏の姿勢はジャーナリスト志望の者にとって見習うところが多いだろう。
日本のジャーナリズムが抱える問題を考えていく上で、本書は一度は目を通しておいた方が良いかもしれない。 (2008-11-15)
海外礼賛
手に取った。
記者クラブの問題点などを分かりやすく実例を踏まえてえぐり出している点は、
素直に評価されていいと思われる。
ただ、前のレビューにもあったが、最大の問題は、
1 日本の記者は〜である。
2 これに対し,外国(特にNYタイムズ)の記者は〜であった。
これこそジャーナリストである。
3 したがって日本の記者の上記1は異常・不当である。
というような、ある意味天真爛漫な論理展開が多すぎる点であろう。
仮に日本の記者に対して、この本の主張に従え、と命ずるとすれば、それは、
つまるところ、NYタイムズの記者と同じように行動せよ、と命ずるのとほとんど
変わらないことになるように思われる。
公平に判定するためにも、嫌みでも何でもなく、ぜひ、日本の記者・記者クラブ
側からの本格的な反論も聞いてみたい。感覚的には、全体としてはなお上杉氏に
軍配が上がるとしても、個別論では少なからず押し戻される点が出てくるのでは
ないか、という感じがする。
(2008-11-12)
新聞を購読している人はこの本を必ず読むべきじゃないでしょうか
です。自分はテレビをほとんど見ないので、マル激や博士も知らないニッポンのウラ
でしか上杉氏を目にすることはないのですが、それらの番組の中でも強調していたのが、
本書にも書かれていた通り日本の新聞記者の個々人の能力は外国人記者と比較しても
劣っているどころか、優れている人が多いという点です。年寄りの記者や
ぬるま湯サラリーマン記者は記者クラブを否定したら自分の軌跡や存在の否定になりますから
、この本を読んでもただ顔を真っ赤にして怒るだけでしょう。上杉氏は年寄り記者の
変革は諦めているのではないでしょうか。でもこの本から感じたのは、上杉氏が
若い世代の記者や談合やってちゃダメだと自覚している記者達を静かに鼓舞する姿です。
そしてもう変化(記者クラブの開放)がなければ先細って行き自滅するだけだという
警告も発しています。上杉氏は過去に記者クラブを批判した優れた本があったことを
言っていますが、今の時代にこの本が出ていなければ、多くの人(特に若い世代)が
記者クラブについて問題意識を持つことはなかったでしょうから貴重だと思います。
どうせ記者クラブは旨すぎる既得権益ですし、すぐに変化はないでしょうから、この本は
この先何年経ってもより多くの人に読まれるべき本だと思います。有権者の投票行動に
非常に大きな影響を及ぼすわけですから、なんとか大きく変化してほしいものです。
変化があれば、上杉氏は日本という国を大きく変えたきっかけということになりますね。
また権力を持った人や同業者から大きな圧力を受けながらも、それに屈することなく
我を通して取材を続け活躍している上杉氏は本当にすごいと思います。
出演されている番組でユーモアを交えながら、ひょうひょうと語っている姿を
目にしますが、心の奥底に何かがあるのでしょうか。 (2008-11-08)













