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商品の情報

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

水月 昭道
光文社(2007-10-16)

アマゾン価格: 735
 → マーケットプレイス: 124 円 より
定価: 735 円
アマゾン売上ランキング: 45343位
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[ユーザーによる評価] 平均評価: 3.5 / 総数: 66件

[3点] マクロ的視点に立った、建設的な提言を増やすべき
大学院、そして博士号というものについての従来の幻想を打ち砕き、フリーター生産工場になっている悲惨な現状を告発しています。

しかし、理工系大学院については、あまり深くは書かれていません。産業空洞化が進んで、単なるもの作りだけなら中国をはじめとして賃金の安い国に対抗するのが難しい今の日本では、基礎研究の充実や産学協同なども含めて最先端の研究開発に力を入れていかざるをえません。このような分野では、大学院も博士も重要な存在です。アメリカのGoogle社のように博士号を持った人たちがたくさんいる会社だってあります。

他の方々が指摘しているように、取り上げ方やデータの裏づけや用い方という点で批判が出るのは一理あるなと思いました。ただ、個人的に一番気になったのは、本書の論点が内向き過ぎるのではないかということです。「需要と供給」という社会的な視点で考えれば、大学教員のような従来の博士向きのポストが相対的に少なくなってしまうのは当然のこと。一方、大学院の新設が続いたことで多くの学生が研究の道に進めるようになったことは、余計な規制が撤廃された象徴という視点では歓迎すべきことだともいえます。つまり、じゃあどうすればいいのだろうかという視点で本書を読めば、ある意味で無いものねだりの批判を展開しているように読めます。

現状を踏まえ、このように増えた大学院を、社会や世界の活力源としてどのように有効に生かしてゆくかということについても、もっと広い視点から前向きに論じるべきだったのではないかと思います。どうしてそれが重要かというと、結局は、そのようにしていかないと、博士号を取得した人達の社会での新たな進路や活躍の場が増えていくことにはつながらないからです。

もちろん、著者も、これからの大学院の役割や進学する者が考えるべき点について後半で自説を述べていますが、前半の舌鋒鋭い批判部分と比較すると十分な出来だとは思えません。意外な進路や従来とは違う視点で成功した人を多数取りあげたり、社会の中での接点や存在感を示すことに成功した研究所の例を紹介したり、早い段階からのキャリアプランの例を示したり、海外の大学でポストを得た人を追うなど、もっと読者の視野を広げるように、建設的な意見や調査結果に基づく記述の量を増やせば、さらに意味のある一冊になっていたように思われます。 (2008-12-29)
[3点] 太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ♪
 幼い頃の祖父の口癖は、「大工か左官になれ!」でした。その意味が解かる人も少ない現代です。島国・日本で職に就くには、3次産業以上の高次産業については、これからあまり考えないほうが良い、慢性失業が続くから。日本では、進学率において、理系が2割文系は8割と言われるように、文系が圧倒的に多くなっている。管理社会である。しかし、どの学部を出ようが企業では、あまり使えない。職に就き、10年くらいの経験がないと実務に適さない。だから、なんでもかんでも大学ではなく、修士・博士ではなく、社会で自分がなにを貢献できるかを考慮し、進学すべきで、大学より学部選択が重要な課題であろう。理系においては、現在産学連携をとっているところもあるが、大学の学部が増加を辿り、研究においては専門としておおくの分野があって良いが、実務に欠ける学部も少なくない。究極の選択が必要である。
 すなわち、必要のない学問を翳し、「試験の対象」とする東大および官僚の策に陥れられている事実は十分納得できる。たとえば、英語の必要性を問う。たぶん、意味のない学問である。日本語すらわからない日本人が、何故、ここまで英語にこだわるのか、昔は通用したが、今の時代では「差別学問」であり、必要性を感じない。これも、官僚と東大教養部の仕手であろう。
 労働・雇用問題の根源は官僚主義ということを理解したほうが良い。国連の勧告においても指摘されている。かつて、江副がリクルート旋風をおこしたことの原因を見定めるべきであろう。職安の特権である唯一の職業斡旋を、民間主導による、例えばアルバイトニュースなどで気軽に若者を誘い込んだ結果が、ワーキングプアーを引き起こしたのである。また、管理社会となり、公務員や天下りが納税者の2〜5倍の給与を得ており、貧困な労働者を搾取していることに注目して欲しい。「公金の合法的横領」を行なっている公務員の姿を現状認識する必要があると考える。兎に角、資源のない日本人は、技術なしで、そしてサービスのみでお金を得ようとする安易な考えを止めるべきであろう。
 ここで、東大総長・大河内一男の名言「太った豚になるよりは、痩せたソクラテスになれ」を思い出して欲しい。拝金主義もいいが、官僚はもっと国民へ「奉仕」すべきであって、搾取をしてはならないと考える。アメリカの帝国主義を見習っては国が滅びる。いや、滅んで再構築したほうが良い世情かもしれない・・・ (2008-12-22)
[3点] 大学院進学を考えている人は読むべき
 ある私立大学では、その大学で開講している全講座の専任教員による担当率は、わずか二四%だという。七五%の講義は、大学で正規に雇われる教員によってではなく、その大学に本来関係のない外部の人たちによってまかなわれているのだ。大学の教育的義務の側面を考えると、これはまずいのではないだろうか・・・・・。 

 大学院生=頭がいい という訳では決してなく、今はお金に余裕があれば誰だって(というのは御幣があるだろうが)入れるという。少子化が進んでいる中、どうして大学院に進む人は確実に存在するのか。そもそも日本に院卒者を受け入れる企業がたくさんあるのか。
 大学院生がある程度の数を確保できるカラクリを、本書では分かりやすく忠実に示している。先生に言われて「大学院もいいなぁ」と考えている学生がいるならば、間違いなくこの本を読んでほしい。そしてもう一度よく考えてほしい。きっと考えが変わるであろう。
 筆者自身が講師であるためか、どうしても「必死さ」が滲んでしまっている気がする。院を卒業してもこんなに大変なんだよ!ということが前面に出てしまい、内容が盛り込みすぎであった印象が残った。もう少し扱う内容を絞っても良かったかなと思ったが、本自体は面白かった。 (2008-12-13)
[3点] ちょっと扇情的な週刊誌記事のようだが、実感は伝わってくる
定職につけていない博士が12500人、修了者には行方不明、死亡も多い。少ない収入でぎりぎりの生活をしている優秀な博士号取得者の現状が多くの事例で「これでもか」と取り上げられる。この状況を招いた文部科学省と東大を批判する。私の周りにも博士課程在籍者で、なかなか就職が見込めない人があり、社会的な現象になっているのだろうと思うのだが、若干扇情的に書きすぎなのではないかという風に思えた。博士号取得が専任教員への過程でなく、自らの自己実現の目的としていくべきという著者の意見には賛同するし、これから多くの社会人が勤めながら博士号を取得していくような社会も望ましいと思う。ただ、大学院研究室での「会議の準備や飲み会の手配など下積みの仕事で、人と顔をつきあわせるのでコミュニケーション能力が上がる」という筆者の主張については、企業など何らかの組織に入ったら当然あることで、特別に大学院で得られるスキルではないと思った。 (2008-11-29)
[1点] あまり分析的でない
1.“学位持ち投稿者の論文を学位を持たない査読者が掲載却下するのは不当だ”。
査読付雑誌は内容の如何で掲載/不掲載を決めるものです。一般的には、修正や不掲載の場合はその理由を投稿者に伝えているはずです。その当否を議論をしないと意味はありません。

2.“コンビニバイトは屈辱的だ”。
もっと時給のよいバイトを探してはどうかとしかいえません。塾などの受験産業とか。大学の非常勤講師の仕事は日中が中心であるのに対して受験産業の場合は夜が中心になるから両立は不可能ではないでしょう。

3.“人文・社会科学系での就職は困難だ”
人文と社会科学では全然状況が違います。社会科学の場合あんまりきつくありません。認識が雑だと思います。

4.“学歴ロンダ組は不利だ”
別のレヴュワーの指摘にもあるように、「ロンダ」で研究者としてやっている人は多くいます。大学入試で測る学力と研究者としての資質は必ずしも一致しません。

5.4章までと5章との論調の相違
社会批判を展開する4章までと、“気の持ちようが大切”と大学院進学を称揚する5章−1人の筆者の1つの著作においてこの一貫性の欠如は無責任だと思います。 (2008-11-11)

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

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