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商品の情報

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

パトリック ジュースキント, Patrick S¨uskind, 池内 紀
文藝春秋(2003-06)

アマゾン価格: 770
 → マーケットプレイス: 1 円 より
定価: 770 円
アマゾン売上ランキング: 11149位
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[Amazon.co.jpによるレビュー]
舞台は18世紀のフランス。町は汚穢(おわい)にまみれ、至るところに悪臭が立ちこめていた。そこに、まったく体臭のない男がいた。男にないのは体臭だけでない。恐ろしく鋭い嗅覚と、においへの異様なまでの執着以外に、男には何もなかった。

物語は至高の香りを求めて、めくるめくにおいの饗宴が繰り広げられる。ドアノブのにおい、石のにおい、花の香り、動物のにおい、果ては目立たない人のにおいに至るまで、ありとあらゆるにおいが立ちこめる。登場人物も、究極のにおいの美少女以外は、主人公も含めて恐ろしくグロテスクである。まさしく魑魅魍魎(ちみもうりょう)。裏道、闇、疫病、屠殺、汚濁…にもかかわらず、なぜ本書からは恐ろしく魅惑的な香りが立ちのぼってくるのだろうか。

パリには複雑で洗練された味わいがベースにあるように、生ハムやチーズのすえたようなにおいが鼻を突いても、この町で、人を引きつけてやまない魅力がグロテスクなのかもしれない。ストーリーも舞台も登場人物も、実に巧妙に展開している。一度手にとるとテンポよく、一気に読んでしまう。読者は主人公とともに限りなく奥深い嗅覚の世界をさまよい、陶酔させられることだろう。

著者は1949年ドイツ生まれ。本書は87年世界幻想文学大賞受賞作品。ほかに『コントラバス』、『鳩』、『ゾマーさんのこと』などが翻訳出版されている。(小野ヒデコ)

[ユーザーによる評価] 平均評価: 4.5 / 総数: 41件

[2点] 変ってる
嗅覚を中心に世の中を見る特殊な人間を描いており珍しい作品だ。しかし残念ながらそれ以上でもそれ以下でもない。 (2008-09-24)
[5点] 香水に踊らされた天才か阿呆の話
八世紀、偉人傑物が大挙し登場するパリの悪臭紛々たる中に生を受けたグルヌイユの匂いに魅せられた数奇な生涯を辿る物語。
とにかく匂いの描写が圧巻。
この物語の裏にして真の主役は匂いといっても過言じゃない。
人いきれ、腐敗臭、好悪区別せず漂う匂いを千差万別嗅ぎ分け蒐集する特異な鼻を持ったグルヌイユの教養なくとも豊饒な内的世界に魅了される。
目に見えない触れないものをここまで細密に鮮烈に描き出す筆力に感動。
グルヌイユは殺人にも一切良心の呵責を覚えないどうしようもない悪党なんだけど、グルヌイユを利己的に利用しようとした権威者が一杯食わされ破滅に至る様は痛快な諧謔を醸し、匂いの探究に捧げる狂気じみた情熱はユーモラスな開き直りを帯びて突き抜けた明るさがある。

また別の角度から見れば理想の匂いの追究に生涯を賭けたグルヌイユにより破滅に導かれた人々の挿話の集積ともなり、それらが混沌と交わり機織る匂いのように重層的な奥行きを保証する。

奇妙な小説を読みたい人はぜひ。 (2008-08-10)
[5点] 意外な結末。
尋常を越えた意外な物語の展開そして尋常を越えた意外な結末だと思わざるお得なかった。主人公の生まれ育った環境から全てが変わっていて、今まで読んだ本の中でも際立って変わっていたように感じた。
但し、自分が今まで読んだ本の数なんて100桁もいかない何十数だからあまりそんなこと言えるような人間ではない。

話しは戻して、
まず匂いを題材にした小説と言う時点でなんかもう凄いと思う。
匂いを活字にして現すなんて自分には考えられない。
しかし作者であるパトリックジェースキントさん略してパトリジェさんは見事に文章にして現している。
特に処女の匂いを現している所には金の糸?だったかな。作者自身も嗅いだことはないであろうが、いや、こんな本を書く作者さんならありえるかも知れませんが、素晴らしい文章で現していた。

なので集中して読んでいるとたまに臭ってきそうになる。

また個性豊かなキャラ一人一人にもちゃんと結末までありとても印象に残る。

そこらへんの結末に愛人の死を向かえさせ感動させようとする恋愛小説なんかより遥かに芸があると思う。



17のクソガキでもある自分がこれ以上この作品についてなにか書き残す程この作品の凄さが客観的に見て蒸発していきそうなのでもう何も書かないが、最後に、この本に出会えて良かったと言うことだけでも書き残しますYO。
(2008-06-15)
[4点] 少し間違えば陰鬱になりそうな話がテンポ良く進む
この作品は、人間性というものを実に皮肉な形で提示していると
思います。よくもここまで捻じ曲がったストーリーを思いついたと
思います。何しろ、徹頭徹尾愛を信じず、関わる人々を全て
不幸にしてゆく悪魔のような男が、最後の最後に自己犠牲によって
愛を知らない人々に愛を教えると読めるのです!(あくまで表面的には...ですが)
また、若干斜めから見れば、非常に生き意地が汚い主人公が、
最後の最後に、人間性とは非常に複雑な化学反応のような
ものだと気づき、生きる意味を見失ってしまう話だとも読めます。
どちらが作者の本意により近いのか、あるいはどちらも同程度に
遠いのか、私には正解は分かりませんが、私は作者が
ずいぶんな皮肉屋だと感じました。
通常、皮肉屋の皮肉なんか読んだって面白くありませんが、この本は
非常にテンポ良く話が進み、とても面白いのです。テンポが良く
感じるのは、訳が良いのかもしれません。
また、匂いが主役、というのも私には新鮮に感じられました。
何か毛色の変わった面白い話が読みたい、というときには
うってつけと思います。ただし、架空の話でも不幸/不道徳な
話に耐えられない人は、この本を読まないのが吉だと思います。
この本の成分は99%くらい不幸と不道徳でできています。
18禁どころか35禁くらいじゃないでしょうか? (2008-05-26)
[4点] 最初は我慢
全体の感想としては満足です。ただ、前半の描写が詳細過ぎて、挫折しそうになりました。その辺がマイナスポイントです。でも後半はテンポよく話が展開していくので、諦めずに読みつづけることをお勧めします。
どなたかのレビューにありましたが、アロマの知識があると昔の香料に関する手法を知るといった楽しさが増えます。でも知識が無くても物語の展開にはついていけます。

残酷な描写もありますが、全体としては古典的ファンタジーの風味が強いと思います。どことなくグリム童話的な雰囲気に思えました。
結構お勧めの本です。

(2008-03-14)

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

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