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香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)
パトリック ジュースキント, Patrick S¨uskind, 池内 紀
→ マーケットプレイス: 1 円 より 定価: 770 円 アマゾン売上ランキング: 11149位 文庫 / 通常24時間以内に発送
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物語は至高の香りを求めて、めくるめくにおいの饗宴が繰り広げられる。ドアノブのにおい、石のにおい、花の香り、動物のにおい、果ては目立たない人のにおいに至るまで、ありとあらゆるにおいが立ちこめる。登場人物も、究極のにおいの美少女以外は、主人公も含めて恐ろしくグロテスクである。まさしく魑魅魍魎(ちみもうりょう)。裏道、闇、疫病、屠殺、汚濁…にもかかわらず、なぜ本書からは恐ろしく魅惑的な香りが立ちのぼってくるのだろうか。
パリには複雑で洗練された味わいがベースにあるように、生ハムやチーズのすえたようなにおいが鼻を突いても、この町で、人を引きつけてやまない魅力がグロテスクなのかもしれない。ストーリーも舞台も登場人物も、実に巧妙に展開している。一度手にとるとテンポよく、一気に読んでしまう。読者は主人公とともに限りなく奥深い嗅覚の世界をさまよい、陶酔させられることだろう。
著者は1949年ドイツ生まれ。本書は87年世界幻想文学大賞受賞作品。ほかに『コントラバス』、『鳩』、『ゾマーさんのこと』などが翻訳出版されている。(小野ヒデコ)
変ってる
香水に踊らされた天才か阿呆の話
とにかく匂いの描写が圧巻。
この物語の裏にして真の主役は匂いといっても過言じゃない。
人いきれ、腐敗臭、好悪区別せず漂う匂いを千差万別嗅ぎ分け蒐集する特異な鼻を持ったグルヌイユの教養なくとも豊饒な内的世界に魅了される。
目に見えない触れないものをここまで細密に鮮烈に描き出す筆力に感動。
グルヌイユは殺人にも一切良心の呵責を覚えないどうしようもない悪党なんだけど、グルヌイユを利己的に利用しようとした権威者が一杯食わされ破滅に至る様は痛快な諧謔を醸し、匂いの探究に捧げる狂気じみた情熱はユーモラスな開き直りを帯びて突き抜けた明るさがある。
また別の角度から見れば理想の匂いの追究に生涯を賭けたグルヌイユにより破滅に導かれた人々の挿話の集積ともなり、それらが混沌と交わり機織る匂いのように重層的な奥行きを保証する。
奇妙な小説を読みたい人はぜひ。 (2008-08-10)
意外な結末。
但し、自分が今まで読んだ本の数なんて100桁もいかない何十数だからあまりそんなこと言えるような人間ではない。
話しは戻して、
まず匂いを題材にした小説と言う時点でなんかもう凄いと思う。
匂いを活字にして現すなんて自分には考えられない。
しかし作者であるパトリックジェースキントさん略してパトリジェさんは見事に文章にして現している。
特に処女の匂いを現している所には金の糸?だったかな。作者自身も嗅いだことはないであろうが、いや、こんな本を書く作者さんならありえるかも知れませんが、素晴らしい文章で現していた。
なので集中して読んでいるとたまに臭ってきそうになる。
また個性豊かなキャラ一人一人にもちゃんと結末までありとても印象に残る。
そこらへんの結末に愛人の死を向かえさせ感動させようとする恋愛小説なんかより遥かに芸があると思う。
17のクソガキでもある自分がこれ以上この作品についてなにか書き残す程この作品の凄さが客観的に見て蒸発していきそうなのでもう何も書かないが、最後に、この本に出会えて良かったと言うことだけでも書き残しますYO。
(2008-06-15)
少し間違えば陰鬱になりそうな話がテンポ良く進む
思います。よくもここまで捻じ曲がったストーリーを思いついたと
思います。何しろ、徹頭徹尾愛を信じず、関わる人々を全て
不幸にしてゆく悪魔のような男が、最後の最後に自己犠牲によって
愛を知らない人々に愛を教えると読めるのです!(あくまで表面的には...ですが)
また、若干斜めから見れば、非常に生き意地が汚い主人公が、
最後の最後に、人間性とは非常に複雑な化学反応のような
ものだと気づき、生きる意味を見失ってしまう話だとも読めます。
どちらが作者の本意により近いのか、あるいはどちらも同程度に
遠いのか、私には正解は分かりませんが、私は作者が
ずいぶんな皮肉屋だと感じました。
通常、皮肉屋の皮肉なんか読んだって面白くありませんが、この本は
非常にテンポ良く話が進み、とても面白いのです。テンポが良く
感じるのは、訳が良いのかもしれません。
また、匂いが主役、というのも私には新鮮に感じられました。
何か毛色の変わった面白い話が読みたい、というときには
うってつけと思います。ただし、架空の話でも不幸/不道徳な
話に耐えられない人は、この本を読まないのが吉だと思います。
この本の成分は99%くらい不幸と不道徳でできています。
18禁どころか35禁くらいじゃないでしょうか? (2008-05-26)
最初は我慢
どなたかのレビューにありましたが、アロマの知識があると昔の香料に関する手法を知るといった楽しさが増えます。でも知識が無くても物語の展開にはついていけます。
残酷な描写もありますが、全体としては古典的ファンタジーの風味が強いと思います。どことなくグリム童話的な雰囲気に思えました。
結構お勧めの本です。
(2008-03-14)



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