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フリーランチの時代 (ハヤカワ文庫JA)
小川 一水
→ マーケットプレイス: 470 円 より 定価: 693 円 アマゾン売上ランキング: 31925位 文庫 / 通常24時間以内に発送
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死なずにいることと、生きていること
そのうち4の短編に共通したテーマは、「不老不死」ないし「生きていることの
意味」です。
不死を手にいれた人間が登場しますが、短編毎に不死の形態が異なっています。
ナノマシン、遺伝子工学、医療の進歩など実に様々な不死があるものだと関心し
ます。しかも、そのすべてが科学的リアリティがあり、科学があとほんのちょっ
と進歩したら実現しそうなだと思える不死ばかりです。
最後の短編は、「時砂の王」の外伝的短編です。
時を越えてETの掃討を続けるメッセンジャーは、不死であるともいえます。
ストーリのほうもピカイチです。ハードSFなんだけど、ラノベのように軽く楽しく読めてしまいます。
お勧めです。 (2008-11-02)
今の私が消滅しても
これ、表題作の、火星の氷冠に生息していたエイリアンのセリフ。
侵食される前と後の主体の同一性はきっと証明できないと思うけど、とっても魅力的な一節。
昨日の私と今日の私が同じ私なのか、現在の延長をはるかに超えた技術の産物として脳を忠実に
トレースして再現された私は私なのか、物質電送機のミスで電送先に再構成されてしまったもう一人
の私は私なのか、この私が死んでしまって再構成された私が復活しても、それは私なのか、チューリング
テストをパスする中国語の部屋が、全体システムとして私の出力を真似し、それを私の知人や肉親が
私と区別できなければ、そのシステムは私なのか。
複数の分野をまたいで、非常に長く議論されるテーマですが、やっぱり私は、私とそっくりな反応をする
何物かがあったとして、それを私と客観的に区別できない、というところまでは同意できても、それはや
はりこの私ではない、としか思えません(しかし、この私と、客観的にこの私と区別できない何かが、そも
そも区別できるという前提すら疑問だったりして懊悩中)。
それでも、この私にとって私だと納得しているこの私が、今のこの私とは別の者になってしまうのであって
も、それでも人間が人間の創り出す技術によって、この人間を超えて(倫理的方向性は不問として)
変化していくことに、積極的に肯定的です。
人間は、その限界も哀しさも愚かさも含んで、それで人間なのだというお話しを知らないわけじゃないけ
れど(本当にその「愚かさ」をわかって言っているのか、とか軽くツッコんでみたりしつつ)、日々の平凡な
喜怒哀楽にこそ大事だという価値も非常に了解ではあるけれど、それでも、個人的には、人類が、当
の人類の産み出した技術によって、人類以外のものに変異していくことには肯定的。
表題作の他の作品にも、この「私」がこの「身体」やこの「社会」に依存しない・ないし支援されない場合
の思考実験に満ちているように読めます。
そんなことを普段から考えているわけじゃないけど、本書に無理矢理思い出させられ中。
これSFの醍醐味でございましたよ。 (2008-08-05)
良し悪し分かれるところ
それ以外は不死をテーマにした話。
今までのような派手さはなく哲学的なところが多いかな?
自分的には最後以外暇な話でした。 (2008-07-31)
「私」という意識。
5編の内の1編「Live me ME.」について
事故のため限りなく「脳死」に近い状態になった彼女は、最新の医療科学により「私」という「意識」を保っていた。そして彼女は、やがて「私の意識」で操れる「人工の肉体」を得た。「昏睡する私」を介護する「私」は・・・。
最近の調査では、「人間の意識(こころ?)」は、実際の行動より0.5秒遅れて発生しているそうだ(「意識」より「行動(無意識)」のほうが0.5秒早いと言うべきか?)。
我々は、"自分が考えて行動している"と思い込んでいるとのこと。更に「私という意識」は、生きている限り「連続している」と思っているが、「養老孟司」センセに言わせると、それも「そう思い込んでいるだけ」とのこと(”昨日と今日とで人間は違う”んだから、寝て、起きて意識が一旦断線した「私」が同じハズがないじゃん、とのこと)。
「私」ってなんだろう?「意識」や「こころ」ってなんだろう?
普段当たり前だと思っていることが、グラついて思える「不安定感」が「SF(!)」の醍醐味(のひとつ)だと思う自分には、十分楽しめた作品でした。
この他の4編も良作です。「アルワラの潮の音(ね)」は書き下ろしです←「時砂の王」のスピンオフ。 (2008-07-28)
色とりどり
作品ごとに向いている読者さんに差がありそうです。
けして外れがあるわけではないのですが、前に読んだ面白い短編が入っているから、と選ぶと、随分雰囲気の違う他の作品が自分に合わなくて損な気分になったりするかもしれません。
そのぶん幅広い作家さんと言えますし、私はいずれも満足しました。
ただ、「Live me ME」では、どうしても、同時に賞を取ってデビューされた乙一さんの「失なはれる物語」が思い出されました。
(2008-07-25)













