商品の情報
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MW(ムウ) (1) (小学館文庫)
手塚 治虫
→ マーケットプレイス: 287 円 より 定価: 610 円 アマゾン売上ランキング: 8967位 文庫 / 通常24時間以内に発送
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「迷いがない」という狂気
では、良心がないとは、一体どういうことなのか――その答えは、「迷いがないこと」です。
結城はなんの迷いも、ためらいもなく、男に抱かれ、女を抱き、人を騙し、殺めることを繰り返しました。そしてその結果、世界の存亡を左右する兵器まで手にします。それは、一体何を表しているのでしょうか?それを考えたとき、これが決して、ただのお話でないことに気付かされます。
物語の最後は、決して終わらせることのできない、戦争というもの、良心を捨てた人々のしたたかさを、象徴しているようにも思えます。
救いのない話ですが、だからこその重みを感じました。 (2008-06-02)
メフィストフェレス的な「悪」の雰囲気に、妙に惹かれる作品
結城と賀来(がらい)神父とのホモセクシャルな関係、結城の「悪」に翻弄される賀来の葛藤と懊悩がまた、この作品を構成している太い柱のひとつとして、強く印象に残りましたね。
複雑・微妙な味のするエンディングの1コマにも、残り香のように後を引く余韻があります。
タイトルの「MW(ムウ)」とは、某大国が化学兵器として開発した猛毒ガスのこと。と同時に、MAN(男)とWOMAN(女)の呪縛を超えて、「悪」の化身として生まれ変わった結城美知夫のことを暗示しているのでしょう。その「悪」の存在を一方的に否定できないどころか、「悪」の誘惑、吸引力にある種の美しさを感じて引きつけられてしまう人間の不思議な側面。
手塚治虫のブラック・マジック、黒い魔法に魅せられたような、そんな妙味を感じた漫画です。 (2007-09-22)
罠がある
男、女、愛、宗教そして少し出てきた兄弟
美しいと言われてきたテーマがことごとく主人公に潰されていく。
それも見事に玉砕です。
これをご覧になられる方は
1巻の解説も一緒に読まれることをお勧めします。
この部分を読んだ後、
TVで討論の番組を見るとまた違った見方ができると思います。
(2007-08-12)
「漫画」の神が示した反抗
しかし、手塚治虫が戦後漫画に及ぼした最大の影響ーそれは、本来タブーとされていた「性」を、二次元世界であるコミックの領域に持ち込んだ事・・・それに尽きるのではないでしょうか。それによって現代日本が世界に誇る「MANGA」文化は、より深く、より身近に現代人の苦悩までも救い上げる存在となり得たのだと思われます。
この作品においては、登場人物たちが哀しいまでに自らの「性」に振り回され、破滅していきます。主人公の結城美知夫は、「悪」の象徴化であると同時に、人類が持って生まれた原罪の象徴でもあります。だからこそ、彼に関る人間達は、彼を憎悪しつつも離れることが出来ない。むしろ、どうしようもなく惹かれていってしまいます。
読んで頂ければお分かりになるでしょうが、もはや彼は一人の人間としての存在を超越しています。これは単なるピカレスクロマンを超えて、時代を超えた「悪の寓話」なのだと思います。
(実際、「整合性」という点に置いては、首を傾げたくなるような場面も多々見られます)
「鉄腕アトム」等で「正義とは何か」を追求し続けた手塚先生は、同時に「悪とは何か」という疑問も追及せずにはいられなかったのでしょう。
ここでは、結城美知夫個人としての悪だけではなく、社会悪としての戦争がもたらす悲劇、も描かれていて、その点に於いても読み応えを感じます。
巨匠の名声に甘んじることなく、常に未開の地平を開拓し続けた手塚先生の野心作。「手塚漫画は健全すぎてちょっとね・・・」という方に、是非お勧めしたい作品です。 (2005-05-18)
手塚治虫のダークサイド
こんな本を書いている(書ける)からこそ、手塚氏の漫画は奥が深くて非常に面白いです。 (2004-04-10)













