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負けるのは美しく (集英社文庫)
児玉 清
→ マーケットプレイス: 100 円 より 定価: 560 円 アマゾン売上ランキング: 203858位 文庫 / 通常24時間以内に発送
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生き様が限りなく美しい珠玉の自伝的エッセイ
20年近く前の浪人生時代にドラマ「ラストダンス」で、家族思いの研究者が慕われる部下と図らずも不倫の深みに嵌って行くドラマを見てこの俳優さんは特異な美しさ(清潔感)があると印象付けられたのを良く覚えていますが、本書を読み「負けるのは美しく」をモットーとする児玉さんの生き様の美しさに深い感銘を受けました。
最終章の胃癌の為36歳の若さで亡くなった娘さんとの想い出と病院(匿名)の許し難い対応を綴った文章は、舌・食道・胃癌を併発し痛みに耐え亡くなった父を私に思い出させ我事のようにとても痛ましい気持ちで拝読しました。
終戦時に中学生だった児玉さんは、学童疎開・戦争・敗戦の痛み、母の死、理不尽な苦しみを背負った俳優生活の最初の10年、娘の死等の多くの葛藤や悲しみを背負う中、本が様々な葛藤を吸収し、生きる活力を与えてくれたと述懐されていますが、中途半端な作家には到底描けない、極めて美しい、清潔感と客観性と深い思慮に満ちた珠玉のエッセイ集です。 (2008-11-13)
興味深い話題が満載のエッセイ集
最近は「クイズアタック25」と「週刊ブックレビュー」の司会者として著名な俳優・児玉清によるエッセイ集です。映画全盛期に銀幕の世界へ足を踏み入れた人物だけに、一昔前の芸能界の様子を含め大変興味深いエピソードが満載です。
大学院進学を決意していたものの家庭の事情で就職せざるをえなくなり、強く望んだわけでもない映画界に身を置いたのもたまたまであったというデビュー裏話は、事実は小説よりも何とやらを地で行くものであり、人生の奇妙で味わい深いさまを強く感じさせます。
最近、最愛の娘を癌でなくしたくだりもまた、人生のままならさを痛感させずにはおきません。親よりも子が先に行くことの理不尽さは、まさに筆舌に尽くしがたいことですが、それでも著者は、綴ることによってなんとか悲しみをぬぐおうと努めているかのようです。
著者の綴る日本語は、なんといっても大量の書物に触れて人生を歩んできた人であることを十分にうかがわせるものであり、そこにもまた魅了されました。どちらかというと海外のミステリー小説が好みであることをうかがわせる著者は、衒学的な文章に傾くことなく平易な、そしてリズミカルでテンポよい流麗な日本語を綴っていきます。こういう文章が書けるようになりたいものだとうらやましく思わせるものです。
本書に収められたのは、「すばる」誌に2005年までに掲載された文章です。
著者はここ数年はテレビ番組の司会業以外に再び本来の俳優業でも顔をみかけることが多くなってきました。そうした日常を切り取った著者の文章を引き続き読む機会があればよいなと思う次第です。
(2008-07-12)













